ダメ社会人のダメじゃないかもしれない毎日

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なぜ携帯小説が流行ったのかを真面目に考えてみる。

 

 

おはようございます。最近不眠症気味の私です。ですがいたって健康です。

 

突然ですがこのブログを読んでくださっている方の中に携帯小説を読んだことがある人はいるでしょうか。ブーム全盛期が確か6,7年前です。懐かしいですね。僕はまだ中学生でした。なんで突然こんな話を始めたかというとこの間ブック◯フで恋◯が叩き売られていたのを見たからです。◯空は実写映画化までされた携帯小説を代表する作品ですからきっと聞いたことある人がほとんどだと思います。なのにあの作品が今となってはかなりの安値。ブームって怖いですね。

 

そこで私ちょっとラブスカイを手に取って買ってみました。レジに持っていくのが非常に恥ずかしかったです。とんでもない乗り遅れ感を味わうと共に、お前が買うの?みたいな店員さんの目線がビシバシ刺さりました。でもその店員さんが美人だったのでなんとか持ちこたえました。

 

家に帰って読んでみるとなんともまあ。なんともまあです。なんと言ったらいいかわかりません。そこでタイトルな訳です。ここはひとつ、なぜこれが、いや、そもそもなぜ携帯小説があんなに世を魅了したのか考えてみようではないか、と。

 

携帯小説とはその名の通り、携帯を使ってサイト上に書き込まれていった物です。そしてそれを書いていた作者は(本物かもしれませんが)自分は中高生であり、これはリアルタイムもしくは最近の話とした上で連載をするのが主流でした。ではなぜ多くの作者がこの手段を取ったのでしょうか。それを推測するのは簡単です。携帯小説を売る側が狙っていた客層はまさに中高生だったからです。それはなぜか。当時爆発的に中高生の間で携帯が流行り始め、1人1台持つのが普通になり始めたタイミングだったのです。ちなみに僕は当時持ってませんでした。だからあくまでも推測ですが一番最初に携帯小説を書き始めたのは恐らく本物の中高生ではないと僕は思います。あんなでっかい市場をプロが見逃すはずはないですから。

 

そして内容。もうはっきりと言ってしまいますがどれを読んでもほとんど内容は同じです。流行った物の焼き直しばかりです。大抵が性行為、ドラッグ、不治の病、レイプなどの犯罪、そして妊娠。ほぼ全ての作品のキーワードはこれです。あと浮気。いやこれは携帯小説的には複雑な恋愛事情と書けばいいのでしょうか。女子にはイロイロあるんだよ☆みたいな。ではなぜこの昨今騒がれているパクリとも呼べる物が当時は受けていたのか。ちょっと考えてみました。するとこれに似たある国民的ドラマを思い出したんです。そう、水戸黄門です。あのドラマ、ご老公が印籠を出す時刻が毎回同じだって事ご存知でしょうか。そう、携帯小説の内容が似ているのも水戸黄門のこれも「不文律」です。「テンプレート」なのです。「あ、これ知ってる〜、前読んだのと似てる〜」という体験が読者に安心感を与えそれが満足感に変わり最終的に購買意欲へと姿を変えるのです。そして携帯小説では印籠ではなく、中高生の年代にとって非常に身の回りにありつつ最も遠い物たちな訳です。不治の病による悲恋なんてのはそれこそ遥か昔から恋愛ものにはうってつけですからね。まさに憧れの対象です。

 

でもその中高生の憧れを全て主人公、もしくはその周りのキャラクターが実現してくれるという事が携帯小説最大の魅力です。キャラクターに自分を重ね合わせて、一喜一憂する。まさにエンターテイメントの楽しみ方の王道ですね。また、携帯小説はある部分では非常に現実とのリンク感が強いのです。もちろん、ドラッグや犯罪などが身の回りにある学生なんてほぼいないと思いますが、恋愛は違います。あ、今の私の恋愛事情あのキャラに似てる、、!なんて事が起こり得ます。するとこれまた加速度的にその物語にのめり込んでいきます。

 

そして大抵の物語、キーを握るのは携帯メールです。結構大事な話をメールで済ませる登場人物が非常に多いです。これは当時のメール文化を表しているのでしょうか。そしてLINEが流行ってしまった今では存在が薄くなってしまった「思い」がそこには確かにあるんです。「読んでくれたかな」という登場人物の思いです。既読マークがつかないからこそ不安になってしまう。不安だからちょっと危険な事もしてしまう。メールのやり取りのちょっとしたタイムラグが実はよく考えてみると登場人物の心理描写に役立てられるという見方もできます。

 

調べてみると意外や意外。携帯小説、穿った見方をすると奥が深そうです。またブックオフにでも行こうかな。